工場(改稿)


極彩色の暗黒こと第一工場の研修を終えた僕は次なるステップ
第二工場研修へと歩を進めました。第一工場をくぐり抜けた僕の
肉体なら第二だって余裕だぜーとか思っていたら労働に使用する
筋肉が全く別でちょっと白目になりました。ちょっとだけね。

僕と同じ区画にはおばさまが2名いるのですけれども、どちらか
一方が機嫌の良い日には必ずもう一方のご機嫌が斜めであり、
僕は「やっぱり世の中の感情はゼロサムなんじゃないか」なんて
思い始めています。誰かが怒るとき、誰かは楽しい。世界中で
その総和はゼロになっているのです。もしくは、おばさま2人が
僕の知らないある種の観念的シーソーに乗ってる。端と端で。

今日は研修開始から初めて定時で会社を出ることができ、そして
帰りには大きな虹を見ることができました。「こりゃ出来過ぎて
いるな」と思っていたら、案の定そのまま道に迷って帰宅時間は
結局いつも通りでしたし、余計に自転車漕ぎ過ぎて現在疲労感が
大変なことになっております。

「幸運と不運も1人の人間の人生通してゼロサム」って考え方は
運の流れがよくないときは前向きになれるけど、運がいいときは
少し身構えてしまいます。「この幸運の分、これからどこかに
でかい落とし穴があるんじゃないか」。

その後に起こったどんな些細な出来事もそのせいに思えてきたり
するので、時には1つ1つのものごとを切り離して考える方が
いいのかも知れません、人生は大きな流れではあるけれど、その
流れを掴む力とともに、ぶつ切りの一瞬一瞬を毎回全力で受け
止められるしたたかさも欲しいものだな、と思います。