サークルで組んでいるコピーバンドのボーカルくんが新型インフルエンザに
やられて、文化祭絡みの大きなステージが駄目になってしまいました。

電話でインフルに羅漢したことを伝えるボーカルくんは半分涙声で、僕はもう
いたたまれず、「仕方ないよ、お大事に」くらいしか言えなかったのですが、
先ほどギターのナイスガイからメールが来まして、「ボーカルくんが次に
コピーしたいって言ってた曲をみんなで内緒で先に覚えよう、そんで復帰
一発目の練習でババーンと演奏して見せて、ボーカルくんを驚かそう」、と。

なんてナイスアイデアでしょう。「残念だな、ボーカルくん可愛そうだな」
くらいしか思っていなかった僕とは雲泥の差です。ライブが出来なくなった
バンドの一員でありながらも、いの一番に「あいつを励ましてやろう」と
思えるというのはなかなか出来ないことであり、そして、そのための具体的な
イデアをすぐに提案出来るというのは、とてもすごいことだと思うのです。
素直に尊敬する。

僕も、「人を励ます」とか「人を喜ばす」とか、そういうキラキラしたことを
もっとちゃんと考えられるようにならないといけないな、と思います。
「人間としての器の大きさ」を決定するのは、結局そういう所なんじゃないか。
とりあえずこれから、しっかり曲の練習をします。ボーカルくんが、驚きと
嬉しさにむせび泣く姿(すごく気持ち悪い)を想像して、少し、頑張ってみます。