高校の同じ学年のバンドを集めて、卒業ライブを
するぞー、という話になったので、昨日は午後から
その練習に行きました。後期試験はもう諦めています。

練習に行く途中の電車で、僕のいた車両に知り合いの
女の子が乗ってきました。その時はちょっと見ない間に
すごく垢抜けたなぁ、と思いましたが、元からそんな
感じだったのかも知れません。知り合いといっても、
接点が皆無だったために高校でも数えるくらいしか
喋ったことがなく、本当に面識がある程度だったのです。

彼女と僕はどちらからともなく「あっ」と言いました。
沈黙を嫌って、僕が出し抜けに「受かった?」と聞くと、
彼女は平然と「受かったよー」と言いました。風の噂で
彼女は僕と同じ国立大学を受験したと聞いていたので、
うひぇー羨ましいーと思っていると、今度は彼女が僕に
「そっちは?」と聞いてきました。あんな質問しなきゃ
良かったと思いながら、僕は「落ちたー」と答えました。

「学部は?」。彼女は質問の手を緩めません。どうやら
僕が彼女と一緒の大学を受けたことを知っている様です。
「経済」と僕は答えました。「一緒!…じゃないよなぁ、
私、経済の夜間の方を受けたから」。彼女は言います。
僕は昼間を受験したので一緒ではありませんでしたし、
彼女は合格で僕は不合格という点も一緒ではありません。

なんだよ良いなぁ、なんて思っている間に電車は目的の
駅に到着しました。さよならを言い、電車を降ります。
頭の中がもやもやもやもや、しますが、仕方がないので
僕は京都での大学生活に思いを馳せます。うん、うん、
いいじゃないか京都。そうだ、京都に行こう。暗転。