広島西条酒祭り
大学時代の先輩に誘われて広島の酒祭りに行ってきました。東広島市にあります西条は古くから日本酒の醸造地として栄えており、
10月上旬に開かれるこの酒祭りには全国から毎年20万人の規模で
お酒好きが集うとのこと。5000人の居酒屋や酒蔵見学体験ほか、
街のいたる所で行われる催しや歩道いっぱいに軒を連ねる屋台には
お客さんたちにしこたま酒を飲ませてやろうという明け透けな気概に
溢れていて、非常に活気づいておりました。会場に着いた僕らが一も二もなく向かったのが「酒ひろば」です。
そこは入場料1500円で日本各地の地酒が延々飲み放題に飲める
夢みたいな広場なのですが、再入場制が一切敷かれていない点が
「出られないなら仕方ないしもうとことん飲むしかない」という
酒好きの心理を本当に上手くくすぐってきて、とても良かったです。
基本的にお酒はいつも美味しいですけど、もう入っちゃったしなー、
仕方ないよなーって言いながら飲むお酒はもっと美味いからね。広場の中では入口で貰える酒祭りオリジナルのお猪口に適宜日本酒を
注いでもらうシステムなのですが、去年から参戦している先輩の
提案で事前に小さいサイズの枡を用意していたのが大正解でした。お猪口になみなみ注がれたお酒も枡で受ければこぼれないし、何より
見た目がすごい粋。SAKEを飲む上でスタイルが粋か否かというのは
結構大事なことだと思います。通りがかりの外国人にも6回くらい
「その箱どこで買ったの?」って訊かれたし(「外!」って言ったら
全員本気で悲しそうな顔をして「oh…」って言っていた、英語圏の
人は悲しいと本当に「oh…」って言う)。最初のころは3人でフルーティさがどうの、甘口だの辛口だの後味が
どうだの評論家気取りで語っていたのですが、お猪口で15杯くらい
煽ったあたりからもうどうでもよくなって、周りの人と適当に乾杯を
していく乾杯テロルを展開させることになりました。外国人相手には
チアーズかボトムズアップって言っておくとどうにでもなるそうです。最初の乾杯テロルを仕掛けた相手が女の子で、いい感じに頬を染めて
いたし僕もへべれけだったしで、少し話をしました。「おいくつですか?」
「今年24歳になります。っていうか、今月」
「同い年だ。僕も今月誕生日です」
「奇遇ですね、おめでとうございます」
「こちらこそ。誕生日いつですか? 同じ日だったら結婚ですよこれ」
「あはは、ほんとですね。誕生日は24日です」
「(…! マジで…?)」お酒というのは本当によく分からない巡り合わせをもたらすもので
まさか乾杯1発目が生年月日ドンピシャ一致の人だとは。
そんなこんなで、閉場の間際にはここは本当に日本なのかと思うほど
アットホームでフレンドリーな空間が広がっていました。でかい黒人男性にハグされたまま振り回されたり全然しらない人の
集合写真に引っ張り入れられたり、とにかく無法地帯で最高だった!
来年も必ず行こうと思います。結婚もしないといけないし(というか、
結婚といわず無難に連絡先とか聞いておけばよかった…なんというか
こう…まさに後の祭りというか…いや…なんでもないです)。